～高圧機器を使用している皆さま、古い電気設備に潜むリスクをご存知ですか？～
PCBは、変圧器やコンデンサーの絶縁油として広く使用されてきた化学物質です。
PCB汚染のリスクについて
PCBは、長期的に摂取すると、肝機能障害や皮膚の黒化、肝臓の肥大などの深刻な健康被害を引き起こす可能性があり、人体に有害な影響を及ぼすことが知られています。さらに、環境中では分解されにくく、生態系にも悪影響を与える可能性があります。
そのため健康面や環境に与える影響を鑑み、国際的な取り組みにより、PCBの廃絶や使用制限が進められています。日本では、昭和43年のカネミ油症事件を契機に、PCBの使用が禁止されました。
あなたの機器は大丈夫？
高圧機器や自家用電気工作物を所有している場合、変圧器は平成5年(1993年)以前、コンデンサーは平成2年(1990年)以前のものである場合、PCBが含まれている可能性があります。
PCB汚染の確認方法
- 1. 機器の製造年を確認: まずは、機器の製造年を銘板で確認しましょう。昭和47年以前に製造されたキュービクルや、銘板情報が確認できないものは特に注意が必要です。
- 2. 専門機関への依頼: PCB汚染の可能性がある場合には、絶縁油を採取してPCB濃度を測定するために、専門機関に依頼して分析を行うことが推奨されます。使用中の機器であれば、電気主任技術者に依頼して安全に調査を進めることが求められます。
PCB汚染が確認された場合の対応
- ・高濃度PCB含有電気工作物: 高濃度PCBを含有しているコンデンサーや変圧器は、銘板にその旨記載されているため、銘板で判別できます。その場合は、JESCOによる処理が必要となります。
- ・低濃度PCB含有電気工作物: 絶縁油のPCB濃度が0.5mg/kgを超えている場合は、低濃度PCB含有電気工作物（コンデンサーの場合は低濃度PCB廃棄物）として、適切な処理が必要です。
PCB機器の適切な処分について
PCB汚染の可能性がある機器をそのまま放置しておくことは非常に危険です。環境省や産業廃棄物処理業者が提供する無害化処理サービスを活用し、期限内に処理を行わなければなりません。
PCB特別措置法で定められた、低濃度PCB処分期間は令和9年3月31日までとされており、期限を過ぎると改善命令の対象になることもあります。
安全な環境のために
あなたの工場や施設で使用している古い変圧器やコンデンサーが、PCBに汚染されている可能性はありませんか？古いキュービクルや電気室に放置されている機器には特に注意が必要です。
PCB特別措置法に定められた低濃度PCB処分期限を守るために、適切な調査と処分を行うことで、環境にも優しい対応が可能です。専門業者に相談し、早めの対策を進めましょう。
当社で高圧機器更新のご用命も承ります。詳しくはお問い合わせください。
